住まいのコラム 「金利のある世界」がやってきた 202609
「金利のある世界」がやってきた ― 住宅購入は、いつ決断すべきか
31年ぶりの水準まで上がった政策金利
日本銀行は2024年3月にマイナス金利政策を解除して以降、段階的に利上げを進めてきました。| 時期 | 政策金利 |
|---|---|
| 2024年3月 | 0〜0.1%(マイナス金利解除) |
| 2024年7月 | 0.25% |
| 2025年1月 | 0.50% |
| 2025年12月 | 0.75% |
| 2026年6月 | 1.0% |
すでに住宅ローン金利にも表れている影響
この政策金利の上昇は、住宅ローン金利にも着実に波及しています。 変動金利は、2025年3月時点でメガバンク平均0.4%程度でしたが、2026年6月には1.08%まで上昇しました。日銀の利上げが続けば、住宅ローン利用者の多くを占める変動金利型の契約者の返済額にも、今後さらに影響が及ぶ可能性があります。 固定金利の上昇はより顕著です。大手銀行5行の10年固定型住宅ローン金利は、2026年6月まで11カ月連続で引き上げられ、平均は3.56%を超えました。フラット35(借入期間21〜35年)の金利も3.2%台に達し、制度開始以来はじめて3%の大台を突破しています。長期金利の上昇分が、金融機関の調達コストを通じて固定金利型商品にそのまま反映される構図です。今後の見通し ― 上昇局面は続くのか
複数のシンクタンクは、物価上昇と賃上げの流れを背景に、2026年中に政策金利が1.0%から1.5%程度まで上昇する可能性を指摘しています。また、金融の専門家の間では、日銀の利上げ局面が2027年度末頃まで続くとの見方も出ています。 もちろん、金利動向は世界経済や物価情勢によって変わり得るものであり、将来の水準を断定することはできません。ただし、これまでの実績を見る限り、「金利が下がる」というシナリオよりも「緩やかに上昇していく」というシナリオの方が、現時点では有力視されているのが実情です。金利上昇が住宅購入に与える影響
住宅ローンは数十年にわたる長期の借り入れです。わずか0.1〜0.5%の金利差でも、返済総額では数十万円から百万円単位の差になることがあります。 例えば、変動金利が0.4%から1.08%へと上昇した過程を振り返ると、「まだ低いうちに」と考えていた期間中にも、実際には着実に金利が動いていたことがわかります。固定金利についても、11カ月連続の引き上げという事実は、様子見をしている間に選択肢そのものが目減りしていくリスクを示しています。早めの決断が持つ意味
住宅購入のタイミングに「絶対の正解」はありません。それぞれのご家庭の資金計画やライフイベントに合わせて検討すべき事柄です。 一方で、次のような事実は押さえておく必要があります。- 政策金利は2024年3月以降、一貫して引き上げ方向で推移してきた
- 変動・固定いずれの住宅ローン金利も、すでに明確な上昇トレンドに入っている
- 主要シンクタンクの多くが、当面は金利上昇局面が続くと予測している
本コラムは2026年9月時点で公開されている情報をもとに作成しています。金利動向は経済情勢により変動するため、実際の借入にあたっては最新の金利情報を金融機関にご確認いただくとともに、ご自身の資金計画に応じたご判断をお願いいたします。