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【Pick Up! 施工例】むらくも建築工房の家 #14

 

【Pick Up! 施工例】では、過去に施工してきた様々な物件をご紹介し、むらくも建築工房の家造りに対する熱意や信念等を垣間見て頂きながら、これから家造りやリフォームを検討しようとお考えの皆様のご参考になるようご説明して行きます。

 

◆Pick Up! 施工例 むらくも建築工房の家  #14 / リフォーム 奈良市百楽園

 

▼今回は兵庫県から場所を奈良県に戻し奈良市百楽園のリフォーム現場をピックアップします。もともとは和の要素がふんだんに盛り込まれた昔ながらの平屋でしたが、その雰囲気を上手く残しつつ木のぬくもりを随所に感じるモダンな雰囲気に変貌した室内。複雑だった外構部分も、シンプルながらどっしりとした門構えに変わり情緒のある印象に。では早速、どんな風に生まれ変わったのか!?きっと家造りやリフォームの参考なること間違い無しです!

 

▼外観

■ビフォー

石積みされた塀の奥に松が生い茂る昔ながらの雰囲気を残す着工前の様子。駐車スペースでは、向かって左側の壁が斜めに倒れそうになり隣の家の塀に当りそうになっています。

 

 

 

●アフター

施工前は、駐車スペースから回り込まないとアプローチ階段に行けなかった形状を、塀を全て撤去することでシンプルにそしてストレートに玄関ポーチまで続くように作り変え、木製造作の門柱が奥ゆかしい印象で、全体の雰囲気に溶け込みます。駐車スペースはシャッター付きの車庫に生まれ変わり、周りは無垢板が施工されたことで和風モダンな仕上がりになりました。

 

 

▼アプローチ

■ビフォー

駐車スペースからしか入っていけない着工前のアプローチ。全体的な和の雰囲気に、一部は洋風タイルが使われ、整合性も欠き松などの植栽も今となっては必要ありません。

 

●アフター

新たに全てを一新したアプローチ周りは、木製の門柱で囲まれ既存の石積み部分を一部残して融合することで、情緒のあるモダンな仕上がりになりました。以前とは違い、ポーチまで真っ直ぐに階段も伸び、動線がスッキリとしているのも嬉しい限りです。

 

 

 

▼玄関ホール

■ビフォー

和の風情が強い玄関ホール内の仕上げ。広々とした空間ながら収納箇所はほとんど無く、使い勝手は良くないようです。

 

 

 

●アフター

もともとの設えの良さを活かし、天井や障子等はそのまま流用し新たに大型のシューズボックスや造り付の収納などを新設し、大幅に収納スペースを増やしました。造り付の収納を新設したことで生まれたデッドスペースにはオリジナル造作の手洗いを設けています。着工前の板の間の床は、木目や節が美しい無垢フローリングが新設され、心地良い室内空間に生まれ変わりました。

 


▼造作の設え

●手洗い

デッドスペースに造られた造作の手洗いは、天板に分厚いヒノキの無垢一枚板が使われ、焼き物のボウルが上に置かれたことで和風モダンの雰囲気を象徴するような存在感のある佇まいとなりました。

 

●下駄箱

木肌の滑らかなフリー板を使った造作の下駄箱は、室内雰囲気にも合い玄関ホールに馴染みます。


 

 

▼洋室

■ビフォー

着工前は、ガランとしたフローリングの室内で、特に収納スペースも無く孤立したリビングとして使われていたような印象でした。床の一部には後付で設置された収納家具などの型が残るように黒く変色し、コンセント類のカバーも黄色く変色しているのがハッキリと分かります。

 

 

 

●アフター

リフォーム後は収納スペースを大幅に増設し、フローリングも杉の無垢フローリングに新設。もともとが広い室内だったので、クローゼットを多数設けても広さに十分な余裕があり使い勝手の良い洋室が誕生しました。

 

 

■施工中の様子

施工中の様子を一気に写真で見て頂けるように、だいたい同じ角度から撮影した室内の様子を掲載しました。天井と床下解体後、布基礎で地面がむき出しだった以前の床下にはコンクリートが打設され、ベタ基礎に近いハイブリッドな状態に整え地面からの湿気を抑制。

新たに根太や大引を新設し、柱などは全てに防腐・防蟻塗料(黒くなっている箇所)を施工しました。

大引の下には、鋼製の床束を新設し、床下には断熱材を新設。耐震金物も現代の基準に合うものをしっかりと追加施工することで、耐震強度を大幅に向上しています。

工事の進行に伴い見えなくなる部分にも丁寧に施工を施すことで、仕上がりに大きな差が生まれてきます。

下地造りが終わると断熱材が入れられ、ボード施工が進みクロス工事が完了すると、室内建具類が入り完成となります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

▼リビングダイニング

■ビフォー

着工前は8畳和室に縁側のある室内で、真壁や壽楽の壁、床の間や仏壇収納などがありました。それぞれの箇所は、経年の傷みが出ており劣化も見受けられます。この純和風の室内をお客様の要望に沿うように大幅にリフォームして行きます。

 

 

●アフター

リフォーム後、畳の床はヒノキのフローリングで統一され足触りの良いナチュラルな仕上がりになりました。以前は箪笥のあった側の壁を完全に撤去し、ダイニングと繋がるように間取りを変更、床の間や仏壇収納部分は一段上がった畳コーナーとなるように施工しました。一段上がっている事で下部には引き出し収納を設けました。天井には既存の丸太梁を化粧として見せながら意匠性も高め、強度が足りない箇所については追加で梁を施工しています。

 

■ビフォー

反対側から見た室内の様子。縁側があるのが分かります。光の加減で劣化した木部などもハッキリとし黒ずんでいる箇所や壽楽が削れている箇所なども確認できます。

 

●アフター

縁側は部屋の一部として取り込まれ、以前よりも広々としています。反対側から見ると既存の丸太梁を出したことで天井が高くなり開放感が生まれていることも良く分かります。昔ながらの和室もリフォームの仕方で、ここまでモダンな印象に大きく変わるのが面白いです。

■ビフォー

縁側部分だけを切り出してみると奥には収納があり、着物なども仕舞えるように幅のある引き出しがあるのが分かります。

 

 

●アフター

施工後は部屋の一部となり、奥の収納は無くなりました。天井はフローリングと同じ板張りなので一体感があり、より心地良い雰囲気を演出します。さらに天窓が設けられ採光も非常に豊かなので日中なら部屋全体が明るく照明が必要ないくらいになります。

 

●室内ドア

室内ドアの一部には柾目が美しい無垢材が使われ、木目がふんだんに使われた室内の雰囲気に馴染んでいます。経年の変化であめ色に変わり、年月の移り変わりを感じることが出来ます。

 

●畳コーナー

4畳の畳コーナー一段上がった造りになっていて多目的なスペースとして利用できそうです。奥の壁はアクセントで柔らかいほおずき色が使われました。畳の下は収納スペースにもなっていて、引き出し式の収納が3杯備わっています。

 

●造作デスク

デスクは全て造作により仕上げられ天板は無垢の一枚板。二分割された片側は、可動式の収納を備えたデスクになっていて、片方は掘り炬燵のように足を入れられるようなデスクとして作られました。

 

●漆喰壁

室内の壁は、左官職人が丁寧に施工した漆喰壁で、匠の技が光る鏝目がつけられています。漆喰の壁にすることで、湿度の自然な調整が行なえ部屋全体をクリーンな状態に保つことが出来ます。

 

 

▼キッチン

■ビフォー

古めかしい印象のタイル壁が時代を感じさせる以前のキッチン。収納箇所は少なく、洗い場や作業スペースが全てステンレスのシンクになっていて、コンロ部分は後付が前提の仕様となっています。床面は黒く変色し、各所に傷みが出ているのが確認できます。

 

●アフター

着工後は、無垢フローリングが落ち着きのある印象のキッチンスペースに変わり、キッチン本体も木目調パネルで統一、作業スペースは人造大理石が使われ、コンロ部分はIHクッキングヒーターになりました。以前にはなかったレンジフードもしっかりと備わり、安心の換気です。収納スペースは、造作の棚が多数設けられ、家電の設置場所にも困りません。

●アフター

キッチンの向かえ側の壁には可動棚の造作収納が施工され、天板は無垢の一枚板が使われました。開口部分からは隣のリビングダイニングの様子も垣間見え、着工前とは完全に間取りのスタイルが変わったことが分かります。

 

●アフター

リビングダイニング側から見たキッチン前の開口部分。カウンターとなっている天板が裏の収納部分にもつながり一体感のある重厚な雰囲気です。細かい部分ですが、良く見ると天井の廻淵や床部分の幅木にも無垢材が使用されていることが分かります。

 

■ビフォー

キッチンと横並びに続いていた以前のダイニングスペース。ガランとした空間で、勝手口もあり落ち着けるような間取りではなかったようです。

 

●アフター

キッチン横のスペースは造作棚を組み合わせ、多目的なスペースとして使えるように工夫されています。本棚や、カウンターなどを備えスタディースペースや家事室としても利用可能で、生活のスタイルに合わせた使い方が可能です。

 

●アフター

以前は何もなかった通路部分。壁にはニッチ収納を造り空間に無駄の無い仕上がりです。

 

▼洗面脱衣室

■ビフォー

非常に簡素な設えで構成されていた洗面室。腰までタイル貼りされた室内は換気口が無く、洗濯機の設置場所は勝手口の外で非常に使い勝手が悪かったことが十分に予想できます。

 

 

●アフター

施工後は、洗面台の配置を変えコンパクトながら三面鏡を備えた機能性の高い洗面化粧台が新設され、隣には洗濯パンを施工したことでわざわざ外に出て洗濯する必要がなくなりました。クロスやクッションフロアは全てが一新され、着工前には無かった床下収納も完備しています。


▼浴室

■ビフォー

全面にタイルが施工された浴室内は、今となっては配色も悪くカビの発生も確認できます。浴槽は狭く深くといった昔ながらのスタイルで、冬場は冷たくヒートショックの心配もあったのではないでしょうか。換気口も心もとないつくりで自然換気だったようです。また、棚らしい棚は無く、あまり使いやすいようには見えません。

●アフター

施工後は全てを一新し、浴槽は浅めで以前よりも広くなり最新の自動湯沸し機能を備えました。床面のフロアは冬場でも冷たくなりにくくお手入れも容易で、タイルと比べ非常に機能的です。以前よりも棚の数が大幅に増えたのも嬉しい仕様です。浴室内の壁はアクセント的に木目調のパネルが使われ、落ち着きのある仕上がりとなりました。換気口は24時間強制排気なので湿気もこもりにくくクリーンな室内になっています。着工前には無かった浴室暖房乾燥機能も充実、大幅に使い勝手が向上しリラックスできる万全の浴室が完成しています。


▼トイレ

■ビフォー

洗面室や浴室と同様タイル貼りされた以前のトイレですが、色合いが急に変わりピンク系で統一されていました。かなり好き嫌いが分かれそうな配色で、照明のスイッチ位置が悪くトイレの中ほどにあるので、夜間などでは手探り状態でスイッチを押していたような感じです。

●アフター

トイレ内照明のスイッチ位置は、外部に施工し使い勝手を向上。換気口も以前は配線がむき出しだったものが、スッキリと収まりクロスやクッションフロアの変わったことで、お手入れも楽になりました。トイレ本体はリモコン式で使いやすく、以前になかったウォシュレット機能や温水、便座温度調整機能など盛り沢山です。

 



▼和室

■ビフォー

落ち着きのある真壁の広々とした以前の和室。全体的に傷みが出始め壽楽は剥がれ落ち、畳の退色や劣化も著しく見えます。

●アフター

同じ部屋とは思えないほどにガラッと雰囲気の変わった室内。日中でも暗い印象だった和室のときに比べ非常に明るい室内に生まれ変わっています。ホワイトを基調にしたクロスや無垢のパインフローリング、各種造作棚や造作デスクなど、心地良い室内が完成しています。


■ビフォー

 

●アフター

 

●収納

オリジナルの仕切り方が出来る造作の収納内部。ライフスタイルに合わせた世界で一つの収納を実現しています。

 

●造作デスク

大工職人による造作で施工されたデスクは、天板にヒノキの無垢一枚板が使われ、なんとも情緒ある風情に仕上がっています。また、引き出し部分も節のない無垢板で丁寧に仕上げられ、一生物の机が完成しました!


▼フローリング

それぞれの空間に合わせて材質を変えた無垢材のフローリング。木目の表情も変わり経年の変化にも違いが出るので、家族の成長と共に家の成長も楽しみです。一つの材質だけでなく、こうして様々な質感を取り入れることで、生活空間のゾーニングも行なえます。

 

●ヒノキ

 

 

●杉

 

 

●パイン

 

 

◆今回紹介した奈良市百楽園のお家は如何でしたでしょうか?

家造りやリフォームについて真剣に向き合うとき、なかなか見えない空間のアイデアや発想など、家造りのプロ集団でも完璧に実現していくことは難しいのですが、こうして過去に施工した家を振り返ることで、弊社自身も改めて発見できる部分もあり、お客様にとっても家造りやリフォームで利用できる何かしらのヒントになるのでは無いかと思います。是非、参考にしてくださいませ!

 

弊社では、各施工例のパンフレットも多数ご用意しておりますので、気になった仕様や家造りの相談など御座いましたら、お気軽にお問い合わせ下さいませ。